2023/06/19 13:15
Atelier SEIでは今年(2023年1月)新たなカテゴリーとして「エレクトロフォーミング」を設けました。
この記事では「エレクトロフォーミング」についてのご説明をしたいと思います。
エレクトロフォーミングとは、「電気めっき」の技術です。
欧米では数十年前から使われていた技術ですが、日本では特殊な溶液や設備、電流を扱う知識や経験が必要なため、クリエイターの数は非常に少なく認知度が低いままでした。
しかし2021年にエレクトロフォーミングジュエリー協会(EFJ協会)が設立され、日本で初めてこの技術をカリキュラム化した講座が構築されました。
Atelier SEIは2022年3月に認定講座の1期生として学び、ディプロマを取得して認定クリエイターとなりました。
エレクトロォーミングに使用できる素材は多岐にわたり、本物の植物の葉や木の実、天然石、貝殻やシーグラス、鳥の羽など実に様々なモノに金属を「電気めっき」する事が出来ます。
付着させる金属は「銅」です。
特殊な青い溶液の中に入れた素材が、ゆっくりと時間をかけて金属に変わっていく様は、錬金術のようです。
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手順としては、素材に電気を通す塗料を塗り、青いめっき液(Eフォーム液)に浸した銅板にプラス極をつないで電気を通します。
すると液中で銅イオンと電子に分解され、マイナス極でもう一度電子と銅イオンがむずびつく事によって、素材に銅をめっきさせる技術です。
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素材の選定、Eフォーム液に投入するまでの準備と仕込みと造形、素材や作品の大きさに適した電流計算、Eフォーム液と電流の安定を保ちながら、Eフォーム中の細かなチェックを行います。
めっきが完了して素材を引き上げてから洗浄や磨き、作品によっては燻し加工などを施して、そのあとにアクセサリーや雑貨などに仕上げて完成です。
素材を決めて完成させるまでには1日~数日のもの、一週間程かかるもの、一か月以上かかるものと様々ですが、Eフォーム液に入れるまでの仕込みに多くの時間と、めっき時間も作品によって大きな幅があります。
Eフォーム液から引き上げてすぐの素材の色は、ピカピカとした金色です。
「金と同じ」と書いて銅という文字ですが、まさしく金色で綺麗です。
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どの金属も同じですが、銅も空気中の酸素や水分などに反応し、時間の経過とともに色合いが徐々にエイジングしていきます。
銅の経年変化は濃い飴色やオレンジ色など、その時々の条件により銅ならではのアンティークな風合いとなります。
しかし変化が特に気になる場合はシルバーアクセサリー用の磨きクロスで磨くと輝きがよみがえります。
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磨く時間も、時が創る銅の風合いの変化も味わいとして慈しんで頂ければと思います。
リングのように素肌に直接着けた場合、汗などの作用で銅色が肌に付くことがありますが害はありませんので、その際は石けんで洗い流してください。
ご使用後は汗や汚れなどを布で拭き、乾燥した暗所で保管をしてください。
また金属アレルギーの方は、素肌の直接のご使用はお控えくださいませ。
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素材が銅めっきされた後に燻し加工をした場合は、人為的にアンティークの風合いにしていますので、経年の色変化は緩やかになります。
アクセサリーや雑貨など作品によっては金属の色変化を防ぐ保護剤を塗布することもありますが、その保護の効果は永久ではありませんので、適宜の磨きクロスでのお手入れをお勧めします。
また消毒用のアルコールスプレーをかけるのは、表面を痛めますのでおやめください。
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エレクトロフォーミング作品は、2022年よりEFJ協会へ委託してイベント等の展示販売もお願いしています。
東京が主になりますが、それぞれのイベントやEFJ協会の実店舗で作品を実際に手に取って見て頂けますので、ご興味がありましたら是非、足を運んで頂けると嬉しいです。
※下記ご紹介のワンドペンダントに関しては、2023年3月納品を最後に以後の委託販売はしておりません。
魔法の杖(ワンド)、ワンドタイプのペンダントもエレクトロフォーミングで制作しています。
古来より魔法の杖(ワンド)には「銅」が使われる事も多く、その理由はエネルギー伝導に優れているためと考えられます。
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ワンドペンダントもAtelier SEIの魔法の杖と同じ「ケルトの祝福の儀式」を行い、浄化・エネルギーチャージ、祝福、聖別をしています。
ワンドペンダントはアクセサリーですが、ワンドとしても御守りとしてもお使いいただけます。
魔法の杖(ワンド)に制作している専用の木箱は、ペンダントにはありません。
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「魔法の杖・使い方指南書」も通常の魔法の杖と同様にお付けしています。
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日本ではまだ新しい、このエレクトロフォーミングをAtelier SEIの様々な作品に生かしていこうと思っています。
またこの記事は、適宜、加筆修正を加えて、より充実した情報を更新していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。